EPUBってなに?
EPUBは電子書籍の標準規格の一つで、EPUB3から縦書きにも対応したことで、日本
でも普及が進んでいます。
PDFは固定のレイアウトで、端末によって表示を変えることができませんが、EPUB
では端末の画面サイズに対応して自動的に改行する「リフロー」という機能がありま
す。
しかし、実際に出版されているEPUBの電子書籍は固定レイアウトのものが多くあり
ます。
オーサリングソフト等の製作環境がまだまだ整っておらず、ノウハウもこれからな
ので、製作コスト(手間)がかかってしまうのが理由だと思われます。
固定レイアウトが悪いというわけではなく、写真集や絵本など絵をふんだんに使う
ものは再現性の高い固定レイアウト。文芸書や技術書、実用書などテキスト主体のも
のは可読性が高い「リフロー」対応と使い分ける必要があるでしょう。
雑誌等のレイアウトと可読性両方が求められる場合は、両方を切り替えられるハイ
ブリッド型も使われています。
また、「リフロー」でも高度なレイアウト情報を記述することで再現性を高めるこ
ともできるようです。
では、実際にどうやって作るの?
- 手作業でHTMLやCCSを編集する
- 手作業でEPUB専用ツール
- 一太郎等のワープロからEPUB形式で書き出す
- InDesign等のDTPソフトからEPUB形式で書き出す
- EPUBに変換してくれるWEBサービスを利用する
ざっくりとこんなところでしょうか?
EPUBはHTML、CCS等でできているので、テキストエディタひとつあれば作ることできます。
しかし、HTMLを直接編集するのは避けたいのでツールをいろいろ調べてみました。
FUSEe
現状、Win環境だけですが、日本語での電子書籍作成に一番よさそうなオーサリングソフトだとおもいます。縦書きには最新のVer1.4から対応しています。
β版の無料提供は終了していますが、製品版がAmazonで買えます。
電子書籍のβ版公式マニュアルも販売されているようです。
Sigil
googleの出している無料のツールもあります。
現状はEPUB2までの対応で縦書きの編集はできないようです。
Blue Griffon
こちらもEPUB3への対応済みですが、縦書きのプレビューが出来ないなど、日本語対応は不十分そうです。
2013年6月現在、無償で縦書きの対応のツールは無さそうです。
DTPソフトからEPUBに変換することもできます。
現在対応しているのは
- Adobe InDesign CS6
- Quark XPress 9
- EDICOLOR 10
このあたりのようです。しかし、調べてみると変換した後に、まだコードの修正は必要そう・・・
DTPが敷居が高いという場合はワープロソフトから変換するという方法もあります。
文章主体のものであれば、こちらのほうが向いているかもしれません。
対応が確認できたのは次のものです。
- 一太郎2013玄
- Word2013(+EPUB出力ユーティリティ)
- LibreOffice(+EPUB出力ユーティリティ)
追加するユーティリティは「Word2ePub」などいくつかあるようです。
「Word2ePub」はWordをそのまま変換してくれて、縦書きなどにも対応できる強力なユーティリティのようですが業務用でかなり高価です。
それに比べると一太郎が単独で変換もできて、日本語に特化していることもあって、かなり良さそうです。値段も専用ソフトに比べればかなり安い。
(2013/07/01追記)試してみました>「一太郎2013 玄を使ってepubの縦書き電子書籍を作る」
他になんとか無償でできる組み合わせがないかと探したところ
LibreOffice+writer2epub
の組み合わせが良さそうです。
(2013/07/01追記)試してみました>「LibreOfficeとwriter2epubを使って縦書き電子書籍を作る」
他の方法としては、オンラインサービスを利用してEPUBに変換するというてもあります。
でんでんコンバーター、パブーなどいくつかサービスがありそうです。
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