一太郎2013 玄を使って脚注入りepub電子書籍を作る

 前回の「一太郎2013 玄を使ってepubの縦書き電子書籍を作る」に引き続き「一太郎2013 玄」のepub変換機能を検証しようと思います。

 epubの特徴としてリフローで改行や表示行数を環境に応じて変えられるというのがありますが、そうなると気になるのがページごとに脚注を入れた場合の扱いです。
 一太郎では、脚注を「文書末に入れる」方法と「ページごとに入れる」方法が選べるので、今回はページごとに入れてみました。

一太郎で脚注を入力する

 脚注を入れたいところを選択して[挿入]>[脚注/割注/注釈]を選択

1taro_foot1

 今回は、脚注番号として「†(ダガー)」を頭文字、半角数字の連番を設定
 脚注文章に説明内容を入力します。

1taro_foot2

     また、[脚注オプション]を次のように設定しました。

  • [脚注の表示方法]の「縦組のとき縦中横で表示する」をチェック
  • [脚注番号の文字スタイル]を「ゴシック(小)」
  • [脚注エリアの位置]を「ページ末」
  • [番号の振り方]を「連続」

1taro_foot3

 同じ要領で、2ページにわたって3つの脚注を入れました。

1taro_foot0

epubに変換してみる

 メニューから[ファイル]>[他形式の保存/開く]>[EPUB保存]を選択して、epubで保存
 chromeの拡張機能「Readium」で表示させてみます、

epub_foot3

 ウィンドウサイズを調整して一太郎の編集画面と同じぐらいにして見ましたが、脚注は文章末にそろえられてしまいました。
 一太郎からの変換ではページごとに脚注表示をすることはできないようです。
 縦中横で表示されていた脚注番号も普通の縦書きになってしまっています。
 表示環境に左右される部分もあるのかもしれませんが、やはり表示を追及するとepubのコード調整が必要になりそうです。

WordPressカスタマイズのメモ(2)

先日の記事に引き続き、WordPressの設定を少し弄ってみました。
今回は以下の2項目です。

  1. コメントスパム対策
  2. カスタマイズ用テーマ作成

コメントスパム対策

どこから嗅ぎつけてこられたのか定かではありませんが、開始して間もない当Blogもコメントスパムの洗礼を受けることになりました。
管理画面で各コメントを「承認」しないとページには表示されないため、そこまで大きな被害があったわけではないのですが、そんな無意味なことで手間を取らされるのはハッキリ言って面白くありません。
スパム防止の手段は幾つかありますが、WordPressのプラグインで何か便利なものがないか探してみましょう。

新規追加のページで検索してみたところ、予想通り多くのプラグインが見つかりました。
今回はBestWebSoftが配布しているCaptchaプラグインを導入してみました。

Captchaプラグイン導入後のコメント欄
Captchaプラグイン導入後のコメント欄

画像のハイライト部分を見ていただければ分かりますが、コメント投稿フォームに簡単な計算式が表示されるようになります。
正しい答えが入力されていなければ、スパム投稿と判断されるようです。
ここでは漢数字の足し算が表示されていますが、設定によって算用数字のみにしたり、計算式の種類(と言っても減算&乗算くらいですが)を変更することも出来ます。

巷でよく見かける画像の文字を入力してもらうタイプに比べるとSPAM排除の精度は少し下がってしまいそうですが、とりあえずの対策としてはこれで十分かなと思います。
これでどうなるか、しばらく様子を見ることにします。

カスタマイズ用テーマ作成

前回、記事の末尾に表示されているメタデータ部分を変更しようと、WordPressのテーマファイルを修正しました。
それの続きとなります。

現在、当Blogで使用しているテーマファイルは「TwentyTwelve」で、これはWordPressの2012年デフォルトです。
公式で配布されているテーマファイル(デフォルトテーマを含む)は、WordPressに備わっているアップデート機能の対象となっているらしく、せっかくカスタマイズしてもWordPress本体の更新により元の状態に戻されてしまいました。
その対策として、TwentyTwelveのテーマファイル(ディレクトリ)を複製した、カスタマイズ専用のデーマを用意することにします。
参考にしたのは以下のサイトです。

デフォルトテーマの複製

ではまず、FTPクライアントなりターミナルなりを使用して、(WordPressインストールディレクトリ)/wp-content/themes へアクセスします。
そこで元になるテーマファイルをコピーします。
[bash]
$ cd ~/(インストールディレクトリ)/wp-content/themes
$ cp -a twentytwelve odproject_mytwentytwelve
[/bash]
新規テーマファイルの名前は分かりやすいものが良いでしょう。
ここでは TwentyTwelveの改造版という意味を込めて、My TwentyTwelve(ファイル名としては odproject_mytwentytwelve)という名前にしてみました。
そして各テーマディレクトリの直下にある style.css に、このテーマファイル自体のメタ情報(名称や説明など)が記述されていますので、これを適当に書き換えます。
[text title=”style.css” firstline=”2″]
Theme Name: My TwentyTwelve
Theme URI:
Author: ODプロジェクト
Author URI: http://odproject.net/
Description: 公式テーマTwentyTwelveのカスタマイズ用
Version:
[/text]
一旦ここでWordPressの管理画面を覗いてみましょう。
外観 – テーマ のページに、無事「My TwentyTwelve」が表示されています。ここまではどうにか成功のようです。

TwentyTwelveの複製
TwentyTwelveの複製

言語ファイルの複製

次に言語ファイルを用意します。こちらはテーマファイルとは異なり wp-content/languages/themes に置かれています。
先程と同様に、これもコピーしてしまいましょう。
[bash]
$ cd ~/(インストールディレクトリ)/wp-content/languages/themes
$ cp -a twentytwelve-ja.po odproject_mytwentytwelve-ja.po
$ cp -a twentytwelve-ja.mo odproject_mytwentytwelve-ja.mo
[/bash]
*.poファイルと*.moファイルが言語ファイルです。
これらの説明、および編集方法については前回の記事を参照してください。

参照する言語ファイルの指定

テーマファイルと言語ファイルの複製が完了しました。ですがこれだけでは正しくカスタマイズ出来ません。
今のままでは元テーマの言語ファイル(twentytwelve-ja.mo)を読み込んでしまいますので、この参照先を修正しましょう。

WordPressでは多言語対応の手段として、__()_e() 等の関数を用意しています。
これら翻訳関数に引数として英語の文章を渡すと、それに対応した別言語の文章が返り、無ければ英文のまま返ってくるという仕組みです。
リファレンスやテーマファイルの記述を読むと、第2引数としてテーマファイル名(正確にはテキストドメインと呼ぶようです)を与えることで、テーマに応じて参照する言語ファイルを設定できることが分かります。

*.phpファイルのあちらこちらに以下のような記述がありますので、これを片っ端から置換します。
自力でやる場合、数が多いので面倒かもしれません。ターミナルからsedコマンドを叩いた方が楽だと思います。
[php title=”元データ”]
<?php
_e( ‘English Message’, ‘twentytwelve’ );
?>
[/php]
[php title=”修正後”]
<?php
_e( ‘English Message’, ‘odproject_mytwentytwelve’ );
?>
[/php]
また、function.phpには、テキストドメインを指定しているらしき箇所がありますので、これも修正してしまいましょう。
[php title=”function.php” firstline=”45″ highlight=”52″]
/*
* Makes Twenty Twelve available for translation.
*
* Translations can be added to the /languages/ directory.
* If you’re building a theme based on Twenty Twelve, use a find and replace
* to change ‘odproject_mytwentytwelve’ to the name of your theme in all the template files.
*/
load_theme_textdomain( ‘odproject_mytwentytwelve’, get_template_directory() . ‘/languages’ );
[/php]
おそらく、これで odproject_mytwentytwelve-ja.mo を読んでくれるようになったはずです。

一太郎2013 玄を使ってepubの縦書き電子書籍を作る

LibreOfficeとwriter2epubを使って縦書き電子書籍を作る」に続いて「一太郎2013 玄」を使ってみます。

 

 テスト環境はWindows7に「一太郎2013 玄 体験版」を使いました。
 体験版は30日間利用できます。

一太郎で縦書き設定にする

 メニューの[書式]>[文書スタイル]を選択

taro_tate1

 [スタイル]タブの[文字組]から[縦組み]を選択

taro_tate2

EPUBで保存

 文章を入力したら、メニューから[ファイル]>[他形式の保存/開く]>[EPUB保存]を選択

taro_epub1

 EPUBファイルのプロパティを設定します。
 タイトルや作成者等を入力します。ここで表紙につかうデータも指定できます。
 種類は「リフロー」と「固定レイアウト」が選べます。今回は「リフロー」を選択します。

taro_epub2

 保存を選択して、ファイル名を指定すれば、EPUBで出力されます。

出力結果は・・・?

 綺麗に縦書きになっています。

taro_epub3

 ウィンドウサイズを変えてやると、ちゃんと改行され、表示行数も変わります。
 単語の検索などもちゃんとできるようです。

taro_epub4

 さすが日本語に特化しているだけあって、epubのソースを見ても綺麗になっており、調整をしたいときも編集が楽そうです。
 Wordからの乗換え版であれば8000円以下で買えるので、海外のツールを使って修正に苦労するのに比べれば、かなりよさそうです。
 文章主体の電子書籍であれば一太郎が今のところ最適かもしれません。

LibreOfficeとwriter2epubを使って縦書き電子書籍を作る

EPUBで縦書き電子書籍を作成するには?」で調べたLibreOfficeとwriter2epubを実際に使ってみました。

    2013/06/23 現在、のバージョンは次のとおり

  • LibreOffice Windows, バージョン 4.0.4,2 日本語 [ダウンロード]
  • writer2epub Ver1系 バージョン1.1.24 [ダウンロード]
  • writer2epub Ver2系 バージョン2.0.0.45(β版) [ダウンロード]

writer2epubはVer2系が開発されているようですが、まだβ版ということで、今回はVer1系でやってみることにします。

LibreOfficeにwriter2epubをインストールする

LibroOffifce Writerを起動したら、メニューから[ツール]>[拡張機能マネージャー]を選択

libre1

拡張機能マネージャーから[追加]ボタンを選択し、先にダウンロードしたファイル「Writer2ePub2.oxt」を選択

libre2

ライセンス条項が表示されるので、下までスクロールしてから[OK]を選択

libre3

拡張機能マネージャーにWriter2ePub2が追加されていることを確認して終了

libre4

Writer2ePub2のボタンが追加されています。

libre5

LibreOfficeWriterで縦書き設定にする

メニューの[書式]>[ページ]を選択

libra縦書き1

[ページ]タブの[文字の選択]で「右から左へ(縦書き)」を選択し、[OK]をクリック

libra縦書き2

epubファイルに変換する

 縦書きの原稿を入力したら、odtファイルとして一度保存します。
 メニューからwrite2epubの左のボタンを選択。
 タイトルや著者名等のメタデータを入力するメニューが表示されるので、必要な情報を入力します。
 ここで右上の[cover]の設定で、epubの表紙の設定ができます。デフォルトでは文書中の最初のイメージを使うようになっているので、画像ファイルが含まれていない場合[OK]ボタンが押せないので適当なものを選択します。
 最後に[OK]をクリック。

libre_epub1

 変換が始まり、問題がなければ結果ログが表示され、odtファイルを保存したフォルダにepubフォルダが作成されています。
 ログウィンドウは閉じてしまって大丈夫です。

libre_epub2

出力結果は・・・?

 出力されたepubをepubを管理・表示できるChrome拡張機能「Readium」から開いてみました。

libreepub3

 たしかに縦書きで出力できています。
 特に指定しなくても、読めるものにはなっているようです。

 しかし、epubをエディターで開いてみると、文章を1文字ずつ分解して、座標指定のようにレイアウトを指定しているようです。
 これでは、文章の検索もできませんし、端末に応じて表示を調整することもできず、epubの利点が生かせません。
 
 ちょっと、配布用としては問題がありそうです。
 次は一太郎で変換をしてみたいと思います。

EPUBで縦書き電子書籍を作成するには?

 

EPUBってなに?

 EPUBは電子書籍の標準規格の一つで、EPUB3から縦書きにも対応したことで、日本
でも普及が進んでいます。
 PDFは固定のレイアウトで、端末によって表示を変えることができませんが、EPUB
では端末の画面サイズに対応して自動的に改行する「リフロー」という機能がありま
す。
 しかし、実際に出版されているEPUBの電子書籍は固定レイアウトのものが多くあり
ます。
 オーサリングソフト等の製作環境がまだまだ整っておらず、ノウハウもこれからな
ので、製作コスト(手間)がかかってしまうのが理由だと思われます。

 固定レイアウトが悪いというわけではなく、写真集や絵本など絵をふんだんに使う
ものは再現性の高い固定レイアウト。文芸書や技術書、実用書などテキスト主体のも
のは可読性が高い「リフロー」対応と使い分ける必要があるでしょう。
 雑誌等のレイアウトと可読性両方が求められる場合は、両方を切り替えられるハイ
ブリッド型も使われています。
 また、「リフロー」でも高度なレイアウト情報を記述することで再現性を高めるこ
ともできるようです。

 

では、実際にどうやって作るの?

  • 手作業でHTMLやCCSを編集する
  • 手作業でEPUB専用ツール
  • 一太郎等のワープロからEPUB形式で書き出す
  • InDesign等のDTPソフトからEPUB形式で書き出す
  • EPUBに変換してくれるWEBサービスを利用する

 ざっくりとこんなところでしょうか?

 EPUBはHTML、CCS等でできているので、テキストエディタひとつあれば作ることできます。
 しかし、HTMLを直接編集するのは避けたいのでツールをいろいろ調べてみました。

 

FUSEe

 fusee
 現状、Win環境だけですが、日本語での電子書籍作成に一番よさそうなオーサリングソフトだとおもいます。縦書きには最新のVer1.4から対応しています。
 β版の無料提供は終了していますが、製品版がAmazonで買えます。
 電子書籍のβ版公式マニュアルも販売されているようです。

 

Sigil

 fusee
 googleの出している無料のツールもあります。
 現状はEPUB2までの対応で縦書きの編集はできないようです。

 

Blue Griffon

 こちらもEPUB3への対応済みですが、縦書きのプレビューが出来ないなど、日本語対応は不十分そうです。

 2013年6月現在、無償で縦書きの対応のツールは無さそうです。

 DTPソフトからEPUBに変換することもできます。
 現在対応しているのは

     

  • Adobe InDesign CS6
  • Quark XPress 9
  • EDICOLOR 10

 このあたりのようです。しかし、調べてみると変換した後に、まだコードの修正は必要そう・・・

 DTPが敷居が高いという場合はワープロソフトから変換するという方法もあります。
 文章主体のものであれば、こちらのほうが向いているかもしれません。
 対応が確認できたのは次のものです。

  • 一太郎2013玄
  • Word2013(+EPUB出力ユーティリティ)
  • LibreOffice(+EPUB出力ユーティリティ)

 追加するユーティリティは「Word2ePub」などいくつかあるようです。
 「Word2ePub」はWordをそのまま変換してくれて、縦書きなどにも対応できる強力なユーティリティのようですが業務用でかなり高価です。
 それに比べると一太郎が単独で変換もできて、日本語に特化していることもあって、かなり良さそうです。値段も専用ソフトに比べればかなり安い。

(2013/07/01追記)試してみました>「一太郎2013 玄を使ってepubの縦書き電子書籍を作る

他になんとか無償でできる組み合わせがないかと探したところ

 LibreOffice+writer2epub

 の組み合わせが良さそうです。
(2013/07/01追記)試してみました>「LibreOfficeとwriter2epubを使って縦書き電子書籍を作る

 他の方法としては、オンラインサービスを利用してEPUBに変換するというてもあります。
 でんでんコンバーターパブーなどいくつかサービスがありそうです。